2018年は「人手不足倒産」と言う言葉を良く目にするようにモナリ、人手不足があらゆる企業でもテーマになっていると思います。

特に、介護業界は、以前から人手不足に悩まされ続け、離職者の多さでは群を抜いて多い業界でもあります。

その介護業界の人手不足にさらに追い討ちをかけるように、政府は、「働き方改革」の名の下に残業規制を行う制度を設けました。

これによって企業は、残業などに対して「時間外労働の上限規制」と「年休の強制付与」が設けられる事になりました。

36協定 では、原則的には、月45時間以内で年間360時間を残業の上限に取り決めは有りましたが、何の法的拘束力も無く、守られていないと現状がありました。

今回の制度の変更では、月60時間以上を超える超過勤務には「割増賃金賃金率50%割増し」と引き上げとなる事を義務付けます。

年次有給休暇の取得についても、強制的に付与が事業者に義務付けられて、年内に消化できるようにもなりました。

つまり、企業が残業を従業員に課すのは困難になってきます。

有休消化させない企業は罰金刑と言う民事ではなく「刑事罰」となるのです。

この制度変更で介護事業所はどのように変わっていくのでしょうか?

介護業界の現状とは?

介護業界の労働時間は、変動労働時間などもあり、過度な超過勤務が日常的で、当たり前とされている超過酷な労働環境にあります。

1日16時間労働も当たり前のように、日常茶飯事で行われています。

Twitterなどでも介護職の方は労働環境について述べているツイートなども良く目にしますが、その多くが残念ながらブラックな労働環境であると言えるものになってしまいます。

給与も大きく上がらず、過酷な労働。

インフルエンザの季節などは、職員が感染すると特に残業は増えてしまいます。

このような状況の中、介護に従事する労働者は激減して、その減少はいまだに続いています。

介護業界の人手不足は働き改革の5年で解消できるのか?

介護職につく人の多くが悩まされる問題としては、心の問題と、身体の問題があります。

心の問題は、利用者によるパワハラ、セクハラ、従業員同士の人間関係、働きすぎに夜「鬱」などが問題になっています。

また、身体の問題は、多くの人が抱えている「腰痛」問題です。

介護職での腰痛問題!腰痛を改善するには病院へ行ってはいけない?

このような問題も抱えている為、単純に残業が多いから離職率が高いと言うわけではなく、働き方改革で残業が減ったとしても、労働環境自体が変わらない限り離職問題は解決しないのです。

それは、介護事業所だけではなく、施設に入る利用者の問題とその家族の問題もあります。

事業者だけでは解決できない問題の方が多いのです。

介護離職を防ぐためには本当のh問題点は何か?と言う議論をもっと増やすべきだと思う

政府は単純に労働時間が介護職の離職に繋がっていると考えているのかもしれませんが、問題の本質はそこではありません。

介護職の問題の本質は人間関係にあります。

なぜ残業をしてしまうのか?

なぜパワハラ、セクハラで心を病んでしまうまで悩んでしまうのか?

そこにフォーカスし、その部分をもっと論じて行かねばいけないのではないでしょうか?

介護職は対人との距離感「境界線」がない人が多いことが問題です

介護職で働く人の多くは「共依存」傾向にあります。

共依存の傾向の人は、何か言われて我慢してしまったり、なんでも「自分が悪い」と思ってしまうのです。

なので、就業時間が終わっているのに利用者や上司に用事を言われてしまうと断ることができないのです。

休みの日に利用者の家族から電話がかかってきて全く休めないと言う人もいるでしょう。

パワハラやセクハラもそうです。

我慢してしまうのです。

全て自分に問題があると思いこみながら。

そうしていくうちにどんどん心が壊れていくのです。

残業を減らそうとしてもこの共依存の問題、境界線の問題を解決していかなくては残業規制があろうとも解決できません。

そのために必要なこととは一体なんでしょうか?

安全な人間関係の距離感を学ぶことが重要です

本来従業員と利用者さん、そしてその家族も全く別の人間です。

距離が近くなればなるほど、「思い通りならない」と不満を感じ始めます。

それが、お互いの問題にも繋がっていくのです。

従業員側でいけば虐待を引き起こすきっかけになります。

本来人は対等なはずです。

わたしがなんとかする!という気概を持つ人が多い介護職の人たちですが、サービスの契約があり、ルールが存在します。

境界線がない職場は、ルールが崩壊しているのです。

だからいつまでも残業が減らない。

もしかしたら、事業所自体が境界線を持っていないかもしれません。

就業規則を正しく見直し、従業員に周知させることがこれから働き改革を遂行するに当たって必要になってきます。

ただ、残業を減らせばいいと言う問題ではありません。

これからの介護業界は、働く職員のことをもっと考えていかなければ淘汰されていくことになるのではないでしょうか?

従業員の労働環境満足度が高ければ高いほど、利用者の満足度も上がっていきます。

これからの時代は外ではなく、内に目を向けていくことも大切です。

それが人手不足に繋がっていきます。