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近年重要性が増す認知症介護。

その施設は圧倒的に足りなくなるとも言われていますが、最近では老人ホームの倒産が過去最高になるなど、経営的にも厳しさが増しています。

その理由の一つには人手不足があるのですが、人手不足の原因は賃金の問題もあり、老人ホームの倒産は経営難の場合もあり、思ったように賃金を増やせないことが余計に人手不足を深刻化させる原因でもあります。

そこで、グループホームはどのようにすれば経営は成り立っていくのかをコンサルタントの方にインタビューしてみました。

グループホームが抱える問題とは?

介護on :では、よろしくお願いします。

認知症は1300万人時代と言われ、国民の9人に1人は認知症と言われています。

そこで、グループホームは認知症ケアをしていく役割の中で重要だと感じるのですが、グループホームが抱える問題点はどのよう所にあるのでしょうか?

介護ON編集部がこのような疑問を内田氏に投げかけてみると、あくまで私が考える形なので、これが正しいとかはないと思いますがと前置きをした上で、考えを述べてくださいました。

内田:よろしくお願いいたします。

グループホームが抱える問題点は、国の規制により入居人数が決まっていることです。

入居者の定員は、1ユニットあたり5人~9人(事業所全体で最低4人以上)で、1つの施設に2ユニットまで設けることができるという決まりがあります。

つまり、一つの施設で多くの入居者さんを入居させることができないということです。

これは、職員の人員やサービスレベルの問題もありますが、入居者を増やせないということはそのまま収益面は増やすことができないという根本的な構造問題があるのです。

単純に儲からない上に、認知症ケアは大変だという現実的な問題がそこには潜んでいます。

最近ではグループホームが倒産するということも増えており、なかなか事業所が増えていかない理由でもあります。

 介護ON:なるほど!規制もあって入居できる人数が問題なのですね。

そのような規制があるのでは、グループホームが拡大し数が増えていくのは難しいのではないでしょうか?

グループホームが拡大する為に必要なこととは?

内田:グループホームは確かに入居人数が決められている為に「集客」という部分は必要ありません。

入居を持たされている方も多かったりします。

ニーズはあるのに倒産してしまう、なかなか増えない理由は、1施設では利益が出せないからです。

なので、グループホームは1社での施設の数を増やさないと利益が出せない構造です。

介護ON:数を増やすというのはどのようなことなのでしょうか?

内田:セブンイレブンなどのコンビニを考えてみてください。

コンビニは65坪ほどの面積で日販でいえば今は60万程度です。

年商2億くらいですね。

1店舗では利益は大したことないのですが、それが2万店舗あるわけです。

コンビニは数を増やすことで利益を出しているわけです。

そのためのオペレーションや、効率化など様々な企業努力もありますが、これと同じことをグループホームは考えれば良いわけです。

つまり、1施設では利益は出せないが、複数展開を考えていければ利益は出せます。

介護ON:なるほど!コンビニのように施設数を増やすことで利益は出していけるわけですね。

しかし、ここにも問題はあると内田氏は言います。

グループホームが数を増やす時の大きな課題とは?

内田:それは、「人」の問題とオペレーションです。

介護やケアの分野は人手不足が顕著です。

収入の割にキツイ仕事でもあるので、なかなかなり手がいません。

また、特殊な認知症患者さんを相手にする為、通常のマニュアルやオペレーションでは難しいでしょう。

ここを解決することが最大の課題だと思います。

介護ON:活路はありそうですが、難しい問題ですよね。

内田:そうですね。

数を増やすことができれば賃金はあげることは可能だと思います。

また、数を増やす為に、FC展開などもできるのであれば一気に増やせるかもしれません。

利益をあげる鍵はチェーン展開にあります。

しかし、そこにはやはり均一化したサービス展開をするためのオペレーションの技術が必要でしょう。

しかしながら、グループホームの拡大はこれからの認知症ケアでは必要でしょうし、社会性は十分にあります。

革新的な拡大をすることができれば大きなマーケットにはなるでしょう。

介護ON:確かにそうですね。マーケットが拡大することによって多くの人が均一したケアを受けられるのは大きな進歩でもありますね。

まだまだ問題はあると思いますが、これからの日本では深刻な問題になる認知症のケア。

国も含めてどのように考えていくのかを見守っていきたいと思います。

今回は貴重な分析をありがとうございました。

内田:あくまで私の考えなので、お役立つのかはわかりませんがこちらこそ貴重なお時間をありがとうございました。