介護疲れ。

このような言葉を聞くようになってきたのは、ここ数年です。

中には、介護疲れからうつになってしまったり、介護疲れで家族がバラバラになってしまう。

悲惨な殺人事件まで起こっています。

今、日本は先進国の中でも超高齢化社会です。

高齢化社会

高齢化社会

2018年3月確定の日本の人口では、1億2649万3千人で、27万人2千人が昨年より減少しています。

そして、15~64歳人口は 7564万1千人で、昨年より57万1千人 減少しています。
(総務省統計局より)

それに比べて、65歳以上人口は 3533万人で、昨年より49万1千人増加しています。

人口は減っていますが、生産人口である15歳から64歳は減少し、65歳以上の高齢者であるシニア層は爆発的に増えているのが日本の現状でもあります。

そんな超高齢化社会を迎えている今、介護疲れが社会問題になっています。

近年は介護疲れによる鬱病や、自殺などが増えています。

それによって家族関係にも影響が出てしまう。

介護疲れを予防するために知って欲しいことを記事にしました。

介護疲れを起こす原因とは?

介護疲れには、肉体的な疲れと精神的な疲れが存在します。

介護疲れ

介護疲れ

肉体的な疲れとは?

介護職では腰痛が職業病でもあり、離職する原因になっているように、介護は肉体労働です。

食事の世話、排泄、1番の重労働は入浴です。

常に介助を必要とし、長時間の労働によって介護者が寝不足になる場合もあります。

赤ちゃんの世話も夜泣きや、常に目を配ってないといけないので、大変なのですが、高齢者介も認知症などになっていた場合は、同じように、常に目を配る必要も出てきます。

睡眠時間を削りながら、入浴補助などの介助も行うことは肉体的にかなりの負担になってきます。

この肉体的な負担で体疲れ切って来ることで気力も失われ、心の部分の疲れにも繋がってきます。

精神的疲れとは?

介護うつに始まるように、介護では精神的な負担も強いと言われています。

その精神的な負担とは、どういったことがあるのでしょうか。

それは、介護は看取るまでは終わりがないということです。

介護が始まってから、死んでいくまで介護は終わらないのです。

この、「いつ終わるのかわからない。」という、毎日肉体的にキツく、辛い介護を永遠とやらなければいけないという状況が続くことの不安が精神的な負担となってしまいます。

介護のなかで殺人事件が起こってしまう理由も、この精神的疲れが原因です。

「やらなければいけない!」という義務感や正義感から、常に体が緊張状態にあり、精神的に休める日が1日もないことによって、自律神経の乱れに繋がり、うつ状態に陥る人も多いです。

介護疲れになりやすい人の特徴

介護は、一人で抱え込み孤立してしまうと、周りの手助けも関与できなくなってしまいます。

また、介護中心の生活を行なってしまうことで、家族との時間がなくなってしまい、離婚問題に発展したり、介護が原因で家族ないが不仲になってしまうこともあります。

本当は、手伝って欲しいのに、言えない。

「誰も自分の辛さをわかってくれない」

このように自分で抱えて悩んでしまう人は介護の現場では多いです。

介護疲れを感じる前に、介護疲れになりやすい人の特徴を知っておくことも大切です。

介護疲れになりやすい人度チェック

✔︎責任感が強い
✔︎人に相談するのが苦手
✔︎調べ物をするのが好きではない
✔︎説明書は最後まで読まない
✔︎本音で話せる友人がいない
✔︎嫌なことは飲み込んで我慢してしまう
✔︎心配しやすい性格
✔︎真面目だねとよく言われる

などです。

4つ以上該当すると介護疲れになりやすいです。
(監修、心理カウンセラー 畠山 ユキ子先生)

真面目で、責任感が強い人ほど精神的な疲れを招きやすいです。

自分の時間を捧げて介護をしないといけない!と思ってしまう人は多いのですが、これが肉体的な疲れが重なってだんだん心まで蝕まれていきます。

家族の家事や育児などもしながら介護をする人などもいたり、家族には面倒をかけたくないという想いから、高齢者が高齢者を介護する「老々介護」も問題となっています。

介護疲れを予防する3つの対処法

介護疲れを予防するための

一人で抱え込まないために相談機関を知っておくこと

介護は一人だけで行うと身が持ちません。

全て自分でやらないといけない!と思わずに、なんでも相談できる相談機関を知っておくことが重要です。

相談機関は、市町村の介護保険の担当窓口。「介護保険課」「高齢福祉課」など市区町村によって名称は異なりますが、窓口での対面相談や電話相談、公民館などでの出張相談会などを行っています。

また、地域包括支援センターは、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で安心して生活することができるよう、高齢者本人はもちろん、家族や地域の住民の相談に応えてくれるところ。全国で4,000以上、市区町村に必ず一つは設置されています。

など市町村の公的機関にまずは相談に行き、どんな相談手段があるのかを教えてもらいましょう。

この相談窓口や相談手段を事前に知っておくことで、精神的な負担が少しでも軽減できると思います。

無理して頑張ってやろうとしない

日本人の美徳とされているのが、「頑張る」や「忍耐」は美しいという価値観です。

介護の現場ではこのような価値観は精神的にも肉体的にも大きな負担になってしまいます。

「できないものはできない」と割り切ることがもっとも大切であり、一人で頑張らないためにも必要な考え方になります。

できない自分を責めるのではなく、今も頑張っている自分を褒めるようにしましょう!

誰にもわかってもらえないと苦しむのではなく、自分以上に自分をわかってくれる人はいません。

だからこそ、一人で抱え込まずに、家族や周りの力を借りられるように、事前に話をし、介護をしているあなたにも気をかけてくれるように、今日はどんなことをして、どうだったなど介護をしない家族にも知らせるように、コミュニケーションをはかっておきましょう。

介護の基本的な知識の取得

介護はある日突然訪れます。

「私には関係ない」ではなくいつ介護の知識が必要になるのかわからないので、関心を寄せることをお勧めします。

また、実際に急に介護をしなくていけなくなった!という人は、体の負担を軽減させる入浴介助の方法などの動画解説などもあるので、それを参考に少しでも体の負担を少しでも軽減できるように隙間時間などで知識を得ましょう。

ただし、動画も含めて、ネットでの情報は多少の誇張表現も含まれている可能性があります。

こちらは調べた中では非常に役に立つサイトだと思います。

カイゴ大学

まとめ

介護疲れはあなたの家族にも大きな負担になってしまいます。

介護を行なっていく上で介護疲れは誰もが起こり得る問題です。

家族がバラバラになってしまう前に、事前に「知る」ことで介護疲れを回避することができます。

事前に知識を知る、相談する場所を知ることができれば、介護を行う上でも気持ち的に楽になります。

一人で背負おうとすることだけは絶対に避けましょう。

困った時には必ず専門機関や公的機関に相談するように心がけましょう。