こんにちは。

介護の知りたいがわかるサイト介護ON編集部です。

日本は超高齢化社会を迎え、高齢者の1人世帯も増えています。

そんな中、家族と疎遠になってしまい、1人で暮らすことを選択したり、様々な原因があり、年間3万人の孤独死があると言われています。

遺品整理の現場などでも、孤独死に遭遇することも多く、遺品整理や、生前整理を行なっている一般社団法人心結の代表理事 屋宜明彦さんに、孤独死の現場と、孤独死を防ぐためにできることをお聞きしました。

高齢者単身世帯の増加やそれに伴う孤独死といった課題が表面化してきました。

そうした中、地縁・血縁・社縁が希薄になる中、実際の遺品整理の現場を通して、新たな縁の構築が必要と痛感していると屋宜氏は語ります。

孤独死、孤立死とありますが、ちゃんとした定義があるわけではないです。

あっ!定義はないのですね。明確な定義がないということは、孤独死って言われているのはどのような状況なのでしょうか?

そうですね、あくまで私が考える形ですが、まずはウェキペディアの孤独死の意味では、このように定義されています。

孤独死(こどくし)とは主に一人暮らしの人が誰にも看取られることなく、当人の住居内などで生活中の突発的な疾病などによって死亡することを指す。特に重篤化しても助けを呼べずに亡くなっている状況を表す。

なお関係する語としては後述する孤立死(こりつし)が公的にも使われるが、ほかにも単に独居者が住居内で亡くなっている状況を指す独居死(どっきょし)のような語も見いだせる[1]。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

孤独死は、部屋で誰にも看取られることなくなくなることを孤独死だと思っております。

なるほど。誰にも看取られることがないのが孤独死なのですね。

孤独死だからといって不幸ではない

屋宜さんは、孤独死だからでと言って亡くなった方は不幸ではないと言います。

その理由についても深く聞いてみました。

ただ、孤独死されたから不幸なのか?とは思わないです。

え?孤独だったら悲しい結末をイメージしてしまうのですが、違うのでしょうか?

生前、友達も沢山いたり子供ともいい関係性でいたりしてる人が大半です。

ただ、亡くなったことに気づかれず数日たっているという人もいてます。

孤立死は、社会から孤立し、コミュニティや身内、友達との関係性も希薄になり、本当に一人で生活していた人が

誰にも看取られず発見もされない。こちらの方が問題だと思っております。

確かにそうですね。ネットなどでは本当に孤独な人が、社会と隔離されて、人知れずに亡くなっているという孤独への危機感を多く語っているように感じます。

そうですね!そのような記事がネットではアクセスが取りやすいからではないでしょうか?

しかし、実際の現場は大きく違う場合が多いです。

ではなぜ、社会から孤立し、気にされることもない人が亡くなったことを発見されるのかというと、あきらかな異変です。

匂いであったり、虫、ポストに大量の新聞など…

気にもしていなかった近所の人がこの異変に気付き、警察や管理会社に連絡し発見されるという事です。

確かにそのような報道は目にする場合がありますね。

本当の問題は孤独死ではない!

屋宜さんは、本当の問題は孤独死ではないとはっきりおっしゃいます。

本当の問題は、今の日本の生活の変化や価値観の変化にあり、昔と違って時代背景がそうさせると言います。

僕が思うには、部屋で亡くなることが問題ではなく、発見が遅れ死後数日たってしまう事の方が問題だと感じております。

言われてみれば、そこに大きな問題というか、今の社会的な問題もありますよね。

昔は村社会だったのが、核家族が増え、個人主義にもなり、ネットで繋がるので、あまり世間とは関わらないというか、疎遠になりつつありますよね。

そうなんです。

そうならない為に、地域で関係性を構築しておく

何かあれば声掛けをしてもらえる仲間作りをする

などの活動が必要なんじゃないかな~と思っております。

なるほど!
でも、今の時代に、そのような啓蒙などをしていくのは大変ではないですか?

私は年間100本くらいセミナーをさせていただいているのですが、セミナーでは、そういった事例などもお伝えさせて頂いております。

どんな感じかをお伝えしたいと思います。

87才の男性一人暮らし、部屋の中でこけて頭を打って足を骨折して入院。

この方の相談に伺ったのが、病院のベットの上でした。

そこで、何をどのように片づけて欲しいかなどの相談を受けて、実際に住まれている部屋の片づけを行いました。

目的は、介護ベットを置けるようにしてほしい。

動線を確保して欲しい。

要らない物を処分して欲しいという事でしたが、

部屋の中は、私の腰の高さまでゴミを積み上げておりました。

『そりゃ怪我するやろ』と思いました。

その後しっかりと不用品は処分し必要なモノは整理し綺麗な状態でお返ししました。

お客様も喜んで頂けました。

ただ、ここで重要視したのが、この男性は87才一人暮らし。

部屋の中で頭売って、足折って入院。

本来ならばこの部屋で孤独死しててもおかしくないはずです。

この方が病院のベットの上に行くことができた…ここがポイントです。

この人は、アパートの前の花壇に毎日決まった時間に水やりをしていたのです。

そこで、近所の人が、『おじいしゃん水やりしてへんやんか~』と気にかけて、

声掛けしてくれ、早期発見⇒病院と行くことができたのです。

事例)

なので、冒頭でもお伝えさせて頂きました。

高齢になればなるほど、毎日同じ行動をする。

毎日顔を合わす人がいる。

自分の事を気にかけてくれる人がいる。

というのは、孤独死を防ぐ行動のひとつなのだな~と気づかされました。

今は遠くの身内より近くの他人ですね。

地域で連携し声掛けし合う仲間作りをして頂きたいです。

そうですね。

これからは、このような小さなコミュニティーを作っていくことが孤独死を防ぐ為にも必要ですよね。

本当の現場を知っているからこそ、わかる貴重なお話ありがとうございます。

「遠くの身内より、近くの他人」この言葉はすごく響きました。

これから介護ON事業部でもお伝えしていきたいと思います。

今日は本当にありがとうございました。

ありがとうございました。

少しでもお力になれたら幸いです。

まとめ

孤独死ということ自体が問題ではなく、孤独なのを誰も気づけない今の社会の仕組みが大きな問題だということを教えていただきました。

孤独死を防ぐ為には、小さなつながりを大切にし、地域で連携し合う。

地域のお店などが、一人暮らしの老人に対して気にかけてあげるというコミュニケーション作りが必要ですね。

これから超高齢化を迎える日本では、見守りロボットなどの普及も必要だと改めて感じました。

【屋宜明彦】

1979年、宝塚市生まれ。一般社団法人「心結(しんゆう)」代表理事。生前・遺品整理を行う「株式会社スリーマインド」社長。終活・家じまいなどをテーマに年間100本以上の講演を行う。

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